田村のりひさホームページ

かわら版

●かわら版●「違法・不法伐採を考える」

 気候変動枠組み条約締約国会議が11月28日より12月9日までカナダのモントリオールで開催されました。この中において京都議定書の「実施」と「改善」、将来枠組みに向けての「創造」のすべての議題についての成果を得ることができました。結果としてマラケシュ合意も採択され森林等の吸収源に関する算定ルール京都メカニズム(共同実施、クリーン開発メカニズム、排出量取引)に関するルールも決定されました。

 京都議定書の枠組みから外れているアメリカをCOPの枠組みの中に何とか留めたことも大きな成果であったでしょう。もちろん、CO2排出国として昨今重要な中国、インドなどの取り込みも重い課題です。

 さて、このような環境の中、わが国目を向ければ、実にお寒い状況です。第一約束期間(2008年から2012年)までにC02の排出量を1990年ベースで6%削減せねばなりませんが、実際には8%増加しているのですから容易ではありません。しかも頼みにしている森林等の吸収源が山林整備の遅れから3.9%のところ1%も目標量に足りない状況です。

 確かに、山林業の現状を考えれば当然かも知れません。立木価格の低迷に人件費の高騰、正業として成り立たなくなっているわけですから、山に手が入るわけがありません。結果、木材自給率は18%そこそこで、外材に圧倒的なシェアを奪われています。
 しかし、おかしいことにその外材の輸入にも大きな問題があるのです。以前インドネシアから日本を訪れた方が「日本は木が足らないからわが国の貴重な木材を輸出していると聞いたのに、見渡せば森林だらけではないか。」と語ったという話しを聞きましたが、実際インドネシアはわが国に木材を輸出するため違法な伐採が続き、そのために表土が流出し国土が崩壊しています。更に伐採した後は植林することがないため大きな災害を生むのです。こう考えるとわが国は外材の輸入で国内の山林整備を怠っているどころか、海外の環境破壊にまで手を貸していることとなっています。

 そこで、平成12年沖縄サミットにて小渕総理の発案で「輸出及び調達に関する慣行を含め、違法伐採に対処する最善の方法について検討」する旨の首脳声明についての合意を受け、自民党の中に私もメンバーである「世界規模の森林の違法、不法伐採及び輸出入等から地球環境を守るための対策検討チームが結成されました。
 31回の会議を重ねる中で「何とかして違法に伐採され日本に輸入されてくる外材を止められないか。」検討をしてきたわけです。当然WTOの厳しい取り決めの中で知恵を絞ることですから一筋縄ではいきませんでしたが、12月22日の会議で一定の方向性を見るに至りました。

 違法・不法伐採といえども世界の貿易のルールの中において輸入をしないということは簡単にはできません。しかし、政府調達となれば欧州にその例があります。英国や仏国は森林認証を受けていない木材に関しては政府調達をしない制度を実施しているのです。そこで、わが国にもこれを応用できないかという検討を始めたのです。
 わが国にはグリーン購入法という制度があります。これは政府が調達するものは環境に配慮されているものでなければならないという法律です。これを改正して木材に関してもこれを適用することにするのです。公共工事だけではなく紙類から機器類、インテリア、寝装寝具まで対象となります。

 そして、調達が許される木材は合法性・持続可能性が証明されることが条件となります。つまり、これを輸出国が保障できなければ政府としては調達しないわけです。これは違法伐採材を取り締まる大きな武器になります。

 ただし、問題がひとつあります。それはこの制度は内外無差別でなければならないということです。つまり、国産材においてもこの適用となるのです。

 そこで、合法性・持続可能性の証明ですが三通りのルートを用意しました。一つ目は森林認証及びCoC認証を活用した場合です。しかし、これは中小の森林所有者から製材業者に流れるパターンには荷が重過ぎます。そこで二番目は、関係団体の認定を得て事業者が行う証明方法です。これですと関係団体が各業界の状況を把握して、認定を行えばよいのでそれ程負担にはならないと思います。さらに、大手企業用には個別企業の独自の取り組みによる証明方法もあります。

 いずれにしても、関係団体とよく協議をした上でご理解を得れるガイドラインを作って参りました。

 何よりも、国内の関係者にも少なからず負担が増えるわけですから、これで、本当に不法な外材が取り締まれなければなりません。そこは厳しく対応をさせていくつもりです。この分野でもっとも大きな役割を果たしているNGOの方々も「今回の制度は不法な外材をターゲットにしたものだから外に厳しくするよう」我々に注文が付いています。

 4月から始まる予定の今回のこの制度はあくまで政府調達に限定したものです、大手のハウスメーカーなどから聞き取りをしますと、「制度ができたからには顧客の反応を考えると、民間の物件にもこの制度を導入していくことになるだろう。」とのことです。

 もちろん、これで不法・違法伐採林の輸入を完全に止められるわけではありませんが、大きな一歩はふみだせると思っています。まずはこの実効性を高め、たとえ数%でも自給率を上げていくことが急務です。3割とも言われる北欧材、5割以上ともいわれる南洋材の違法伐採を止め地球環境を守るために。そして、わが国の山林を守るために。
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